胡蝶蘭がお祝い事からお悔みまで、幅広く贈答用として重宝されていることはもはや常識ですよね。
贈り物としても、頂き物としても大変喜ばれる胡蝶蘭ですが、値段を見てびっくりしたことはありませんか?
他のお花と比べ別格に高いです。
しかし、胡蝶蘭が高いのは、ちゃんと理由があるんです。
胡蝶蘭が市場に出回るまでの過程を知ると、高級なお花になることがわかりますよ。
胡蝶蘭が市場に出回るまで
胡蝶蘭が市場に出回るころには、相場は1万円~5万円と大変高価です。
立派なものになると10万円を超えるものまであります。
お店の開店祝いや、舞台などの公演祝いなどで目にする胡蝶蘭は、立ち姿の美しい豪華なものが多いですね。
胡蝶蘭は花もちもよく、とても華やかですが、手間をかけずに美しく育ったわけではありません。
胡蝶蘭の栽培は大変手間がかかるうえ、出荷するまでに何年もかかります。
成長にかかるコストが高い
胡蝶蘭はそもそも高温多湿の東南アジア原産。
日本は、四季によって気温差がおおきく、時期によっては乾燥もします。
胡蝶蘭は年中一定の温度と湿度が必要。日本の環境は胡蝶蘭にとって不向きと言えます。
一年をとおして胡蝶蘭には最適な温度・湿度が必要なため、外気をまともに受ける環境はNGです。
必要な環境をととのえるためのハウス栽培には、高額な光熱費がかかってきます。
また、胡蝶蘭の美しい立ち姿や、ひとつひとつの花を美しい色と形に育てるために、生産者さんの熟練した技が必要です。
胡蝶蘭は市場に出回るまでにたくさんの人件費と光熱費、環境を整えるための設備費がどんなお花よりもかかるといってよいでしょう。
クローン技術でコストダウンした?
胡蝶蘭が苗になるまでの過程が想像以上に大変!
胡蝶蘭は受粉によってたくさんの種をつくります。ところが自然に種が発芽することはほぼありません。
苗に育てるためには、ガラスのフラスコの中で無菌の環境をつくり、人工的に発芽させます。
苗は数回植え替えを行い、各国へと輸出されます。
日本で扱う胡蝶蘭は、大半が輸入した苗。さらに手間暇をかけ育て販売しているのです。
この方法で苗に育て上げるために2~4年もの年月がかかるのだそうです。
ところが、現在では「メリクロン栽培」といってクローンで苗を育てる技術によって、
病気に強く、確実に美しい胡蝶蘭を大量生産することができるようになりました。
クローン技術によって、以前より苗を安く育てることができるようになったため、胡蝶蘭の価格が安くなったと言われています。
でも、苗から花を咲かせるまでにかかるコストは相変わらず高額となるため、市場に出回る胡蝶蘭が他の花に比べると別格に高いことには変わりありませんね。
まとめ
胡蝶蘭は高温多湿の東南アジア原産です。日本の環境で育てるには、栽培に適したハウスと高額の光熱費が必要です。
また、他の花に比べ、成長にかかる年月が長い分、かかる人件費も高額。必然的に出荷するまでのコストがかかるのです。
しかし、熟練した職人の技により、大輪で鈴なりにたくさんの花をつけた美しい立ち姿は、高級花として申し分ないですよね。
胡蝶蘭は「幸せが飛んでくる」という花言葉もあり、お祝いやお悔みにと幅広く重宝されるお花です。